

活動・団体の紹介
DAREDEMO HEROは、フィリピン・セブ島の貧困層の子どもたちから未来のリーダーを育成し、「貧困問題の根本解決」を目指すNPO法人です。
やる気と志、そして高い能力を持つ子どもたちに対して、小学3年生から大学卒業までの長期的な教育支援とリーダーシップトレーニングを行い、地域や社会の未来を担う若者を育てています。さらに、地域の自立支援や、日本とフィリピンのユースの国際交流を組み合わせることで、希望の連鎖を社会に広げています。


活動の背景
フィリピンの深刻な貧困問題は、努力だけでは乗り越えられない大きな社会構造の壁となっています。2023年の大学進学率は全国平均35.15%で、富裕層49%に対し貧困層はわずか17%と極端な格差があります。さらに中退率は34%に達し、子どもたちの学びの機会は非常に不安定です。こうした教育や健康の格差が「貧困の連鎖」を生み続けており、断ち切るためには包括的な教育が欠かせません。


フィリピンの貧困問題を解決する「未来のリーダー」を育成するためには、子どもたちに広い視野を持たせることが欠かせません。しかし、フィリピン国内で得られる経験には限界があります。母国を飛び出し、他国の文化に触れることでこそ、自国をより深く理解し、新たな視点を養うことができます。そうした機会を子どもたちに提供したいと考え、DAREDEMO HEROではこれまでに4回、日本研修旅行を実施してきました。


事業内容の詳細
今回の日本研修旅行は、奨学生10名とスタッフ3名が参加し、5日間の日程で実施します。
初日はセブから関西空港へ移動後、日本の学校を訪問して教育現場を学び、さらに日頃から応援してくださっている支援者の皆様と直接交流することで、感謝を伝えると同時に異文化理解を深めます。


※昨年の交流会の様子
2日目は、これまでオンラインで交流を続けてきた日本のユースと合流し、大阪万博の会場を訪問します。各国の展示や先端技術、未来社会に関するアイデアを実際に見て体感し、国際的な課題や持続可能な社会について意見を交わすことで、グローバルな視野を広げます。夕方には報告会を行い、学びを振り返りながら自分たちの役割について考える時間を設けます。
3日目には、映像関連の企業を訪問して日本の高度な技術や仕事観を学びます。その後、ご支援者様との意見交換を重ね、日本文化への理解をさらに深めるために、大阪の歴史的な名所や街並みを見学します。


※昨年の研修旅行の様子
4日目にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンを訪問し、フィリピンでは体験できない最先端のテーマパークを楽しむことで、異文化への理解を深めるとともに、日本のホスピタリティや安全管理の仕組みに触れる機会とします。
最終日は早朝に大阪を出発し、関西空港からセブへ帰国します。
ご支援の活用方法
今回の日本研修旅行では、助成金を活用して、航空券・現地の交通費・宿泊費・万博の入場料・会場費の一部をまかないます。しかし、申請額の半額しか助成が決定せず、それらの基本的な費用だけでも不足している状況です。
さらに、滞在中の食費や研修以外の移動費、子どもたちが日本で学びや体験を深めるための観光費用についても、助成金ではカバーできていません。
また、奨学生にとっては今回の日本研修旅行が「人生で最初で最後の機会」になるかもしれません。日本での食文化を存分に体験できるよう、食べたいものを自由に選んで食べられる「お小遣い」を渡してあげたいと考えています。さらに、愛する家族に日本の思い出を持ち帰り共有できるよう、家族への小さなお土産を買うためのお小遣いも必要です。
皆さまからのご支援は、
・不足分の航空券・交通費・宿泊費
・滞在中の食費
・日本文化を学ぶための観光プログラム費
・奨学生のお小遣い(食事代・お土産代)
として大切に活用させていただきます。
どうか、子どもたちの「一生に一度の学びの旅」を応援していただけると幸いです。


※費用を最小限に抑えるために、宿泊はAirbnbを予定しており、朝食などは自炊をする予定です。
代表者からのお願い
私は日本で生まれ育ち、海外に行くことが当たり前だと思っていました。お金をためて、自分の意志で世界を旅し、さまざまな文化や価値観に触れることができたのです。ところが、フィリピンの子どもたちに出会って気づかされました。彼らはどれだけ努力をしても、自分の暮らす小さなコミュニティの外に出ることすらできない現実があります。
パスポートを取得することさえ簡単ではなく、当初選ばれた10名のうち2名は、たった一文字の出生届の誤りのために渡航を諦めざるを得ませんでした。さらにVISA申請には多くの書類や保証人が必要で、日本人とは比べものにならないほど高いハードルがあります。
海外に行くという経験の重みは、私たち日本人と、フィリピンの子どもたちとではまったく違います。だからこそ、今回日本に行けることになった10名には、このチャンスを最大限に活かし、人生を変えるような経験をしてほしいと願っています。きっと日本で学び、出会い、感じたことは、彼らの未来にとって大きな力となり、やがてフィリピンや世界のより良い社会をつくる原動力になるはずです。
どうか、子どもたちが日本でかけがえのない経験を積めるように、温かい応援とご協力をお願いします。


※日本での体験を多くの人々に伝えようとする子どもたち

