

食品ロス削減を福祉につなぐ
当法人は、企業や個人のみなさまよりご寄贈いただいた食品を、必要としている子育て世帯や子ども食堂、福祉施設に無償で提供する「フードバンク事業」を柱に、「食」をコミュニケーションの入口とし、こどもの成長段階(乳幼児期、児童期、思春期、青年期)に合わせたさまざまな支援活動を展開しています。人と人、人と地域をつなぎ、こどもたちを負の連鎖から断ち切る社会づくりを目指し、多くの方々に支えられ今年で活動12年目を迎えます。
乳幼児期の親子を守るしくみを
代表の原田昌樹は長年、駅前での呼びかけや夜回り、里親活動等においてこどもの養育及び困窮者支援に携わってきました。その際に、さまざまな環境のこどもたちが差別や偏見の対象にされ、いじめや親からの虐待、薬物使用や性被害に巻き込まれていく現場にぶつかってきました。また、こどもへの負の連鎖が起こる大きな要因として乳幼児期養育の崩壊を実感しました。
そのような時、地域スーパーからロス食品の提供を受け、食品が廃棄される姿と人が社会から排除される姿が重なって見え、「食品も人も社会の価値基準で落とされていく。この価値基準を変革し、乳幼児期の養育環境を安定させなければ負のスパイラルは切れない」と強く感じました。
その時、食と人をつなぐフードバンク活動と出会い、県内にフードバンク団体が存在していなかったことにも使命感を持ち、2013年3月にフードバンク北九州ライフアゲインを設立しました。

孤独・孤立・困窮・・「助けて」が言えない親子たち
北九州市の調査によると、私たちが暮らす北九州市にはおおよそ1万5000世帯が経済的に困難を抱えながら暮らしている子育て世帯があると推定されます。その内、ひとり親世帯の割合は5割を超え、さらにひとり親世帯の大部分を母子世帯が占めています。その数はおおよそ8000世帯です。
現在、私たちがつながり支援している継続食料支援世帯は150世帯から170世帯の子育て世帯。継続期間は3ヶ月から6ヶ月、時には12ヶ月に渡ることもあります。家族人数に合わせた食材を用意し、可能な限り受け取りに来ていただいています。受け取り時が、コミュニケーションできる機会ととらえ、スタッフは傾聴に心がけています。おしゃべりの中から食料支援とは別の支援が必要だと気づいた場合は、行政や専門機関と連携して支援につなぎます。


ひとりぼっちにさせない、家族のような地域社会が必要
私たちが重要視しているのは、最も小さな社会である「家族の絆」を守ること。その家族をとりまく「地域の絆」を強めることです。
地域の少子高齢化は進み、単身化、孤立化の大波は地域社会を呑み込もうとしています。「助けて!」と心の中で叫んでも、声をあげられない状況があるのです。このような状況を打開するためには、血縁関係の家族だけではなく、お互いが家族のように声をかけ合い誰ひとり孤立させないまち、こどもを地域全体で育む共助のまちを是が非でもつくらなければならないと強く感じています。
私たちNPO団体が届けることのできる支援は限られています。そのために個人支援のほかにも、地域が顔見知りになり、みんなで子育てできる共助の力を醸成させるための地域活動も展開しています。3つの子ども食堂の運営を中心に、無料学習塾・自習室、乳幼児がいるご家庭を子育て経験のある地域のボランティアが訪問し、一緒に育児や家事を行う訪問型子育て支援「ホームスタート」の活動も行っています。


代表者メッセージ
生まれ育つ環境で、取り残されてしまうこどもたちがいます。困難な状況で、毎日必死でこどもを守り育てる親がいます。
親子の抱える課題は、こどもの成長の中で次から次へと変わっていきます。私たちは、その度に一緒に悩み、寄り添い続けます。人は誰でも「ひとりじゃない」と思えた時、自ら立ち上がり乗り越える力を持っているからです。そう信じ、親子に寄り添う活動をこれからも続けていきます。
すべてのこどもたちが「生まれてきてよかった」と思える社会の実現を、一緒に目指していきましょう。
寄付金の使い道について
みなさまからいただいたご寄付は、こどもたちを支援する活動費とともに、その親子への支援に必要な食料を確保・保管・配送し、行き渡らせるためのフードバンクシステム構築にあてます。また、運営を安定させ、人材確保し、継続的に見守れるよう組織基盤を強化するためにも活用させていただきます。
次の時代を生きていくこどもたちは、わたしたちの未来であり、希望です。
「こどもはみんな、みんなのこども、いっしょに生きよう」
ライフアゲインはそんな思いを込めて、皆さまにこの活動の輪に加わっていただきたく、寄付の呼びかけをさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。


