
0歳児の遺棄・虐待死の現状を知っていますか?

日本では、2週間に1人、0歳児が遺棄・虐待で亡くなっています。
そのうち約半数は生後0日の赤ちゃんです。
(2023年度、生後24時間に満たない「0歳0日児」で亡くなった赤ちゃんの数は16人)
※こども家庭庁「こども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第21次報告)」より
背景には、予期せぬ妊娠を誰にも相談できず、不安や孤独の中で1人で出産を迎えてしまい、どうすることもできずに、産まれたばかりの赤ちゃんを遺棄してしまう、といった状況に追い込まれてしまう妊婦の存在があります。
生後0日で死亡しているケースの8割以上は医療機関を受診しておらず、 医療機関で出産できなかったために適切な処置がされず出産と同時に亡くなってしまったり、自宅や公園のトイレなどで出産し、赤ちゃんをそのまま置き去りにしてしまったりする事例が発生しています。

医療機関を受診できない背景にあるのは「経済的な理由」と「社会からの孤立」です。
近年は国も妊娠・出産に関する支援策を打ち出していますが、まだ無償化には至っておらず、本当に支援が必要な人に届いていないのが現状です。
フローレンスの取り組み
母子の孤立を防ぎ、受診・出産を寄付で支える「無料産院」事業
フローレンスは2023年6月から、社会的に孤立し、経済的に困難な状況にある妊婦を支援する取り組み「無料産院」事業を開始。
医療機関を受診できず悩んでいる妊婦に対し、にんしん相談を受け付けるとともに、妊婦健診・出産費用をフローレンスが代わりに支払い、医療機関を受診してもらうことで母子ともに危険な状態で出産に至ることを防ぎます。行政と連携して、出産後の育児・生活支援につなげるなど、切れ目ない支援を行っています。
「無料産院」事業により、23人の妊婦を支援し、23人の赤ちゃんの命を守ることができました。(2025年8月までの実績)


にんしん相談
予期せぬ妊娠に悩む女性の相談を行っています。相談員が丁寧にお話を伺い、一人ひとりの気持ちに寄り添った相談支援を心がけています。また、相談者の状況に応じた社会資源についての情報を提供するとともに、やむを得ない事情により生みの親が育てることができない場合は、育ての親につなぐ特別養子縁組の支援を行っています。

中期以降ハイリスク妊婦への初回受診料支援
経済的に困難を抱えており、一度も病院で診察を受けたことがない妊娠中期・後期の方を対象に、受診料一回分を支援する取り組みを行っています。

政策提言
赤ちゃん遺棄がなくならない背景の一つには、妊婦が経済的理由で医療機関の受診をためらい、結果として一度も病院を受診しないまま出産に至るという現状があります。
このような事態を防ぐため、フローレンスでは、経済的に困窮する妊婦が安心して医療とつながれるよう、初回の妊娠確定診断の無償化を求める提言を行ってきました。
すべての妊婦が経済的な不安を感じることなく、適切な医療や支援につながり、母子ともに安全に出産を迎えられる社会の実現を目指して、今後も提言を続けていきます。
メディアからも注目されています
このプロジェクトの取り組みは、新聞、テレビ、ウェブメディアなど、これまでに30以上のメディアに取り上げていただいています。

認定NPO法人フローレンスとは?
こどもたちのために、日本を変える。こどもの虐待や貧困問題、育児の孤立・孤独などこども・子育て領域の社会課題の解決を目指し、病児保育、保育園、障害児保育、こども宅食、赤ちゃん縁組などの数々の福祉・支援事業を運営するとともに、政策提言や文化醸成などの活動を行う国内最大規模の認定NPO法人です。
受賞歴
- 多胎児家庭専門の訪問サポートサービス「ふたご助っ人くじ」が 東京都女性活躍推進大賞特別賞を受賞(2023年)
- 第4回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞受賞(2024年)
- こども冒険バンクが「ウェルビーイングアワード」モノ・サービス部門でグランプリ受賞(2025年)
その他、受賞歴多数
メディア掲載

日本経済新聞、産経新聞、毎日新聞、朝日新聞など全国の大手新聞や、「NHKニュース」「news zero」「めざましテレビ」「NEWS23」などテレビのニュース、また各種WEBニュースなど、多くのメディアにフローレンスの取り組みを紹介いただきました。
フローレンスは、あなたからの支援を必要としています
すべての赤ちゃんが安全に生まれ、健やかに育つ社会を実現するために。
フローレンスはこれからも活動を推進していきます。
フローレンスのこうした活動は、皆さんからのご寄付によって支えられています。
あなたのご寄付が、妊婦さんと生まれてくる赤ちゃんに届きます。ご支援・応援をよろしくお願いします。
※いただいたご寄付は、「フローレンスが行う特定非営利活動全般に対してのご寄付」としてお預かりし、無料産院事業やにんしん相談のほか、活動を間接的に支えるための運営費等に使われます。
フローレンスは、東京都に認定を受けた「認定NPO法人」です。フローレンスへのご寄付は確定申告によって寄附金控除を受けることができ、最大約50%還付されます。

