

子どもの「体験格差」という社会課題
学校外での体験機会が「何もない」子どもたちがいます

チャンス・フォー・チルドレンが全国の小学生保護者に実施した調査の結果、年収300万円未満の家庭では、約3人に1人の子どもに、スポーツや音楽、キャンプ、旅行といった学校外の体験機会が、1年間を通じて全くないことがわかりました。
「親の所得格差」が「子どもの体験格差」と強く関係しています
また、調査の結果からは、子どもの学校外の体験活動にかける1年間の支出には、家庭の状況により2.7倍の格差が生じていることも明らかになりました。

学校外の体験活動を諦めた理由を聞いたところ、世帯年収300万円未満の家庭では「経済的な余裕がないから」との回答が最も多く、56.3%でした。
「保護者の時間的な余裕がない(51.5%)」,「家の近くに参加できる活動がない(26.6%)」など、その他の要因も絡み合いながら、子どもたちの体験格差を生み出しています。
子どもの体験奨学金事業「ハロカル」とは
このような「体験格差」をなくすため、子どもの体験奨学金事業「ハロカル」を立ち上げました。
「ハロカル」には「ハロー・カルチャー(文化・体験との出会い)」と「ハロー・ローカル(地域との出会い)」という2つのメッセージを込めています。
ハロカル奨学金の仕組み
個人や企業・団体等のご支援者さまからの寄付金を原資にして、全国の経済的に厳しい家庭の小学生に、スポーツや音楽・芸術活動のほか、体験活動で利用できる奨学金を提供していきます。
各地のNPO等と連携し、奨学金で体験機会を届けるとともにご家庭への相談支援を行い、子どもたちを地域で支えていきます。

他の地域で活動する団体とも連携し、ハロカルを全国に広げていきます
2022年度より、東東京と岡山の2エリアでトライアル事業を行ってきました。2023年度に沖縄、2024年度に北海道を加えた4エリアで事業を展開し、今後もさらなるエリア拡大を目指していきます。
私たちの思い
子どもたちが家庭の経済的事情にかかわらず、多様な体験の機会につながることのできる社会を実現したい。子どもの体験奨学金事業「ハロカル」は、私たちチャンス・フォー・チルドレン(CFC)がこれまで抱いてきた思いをもとに立ち上げた取り組みです。
法人設立から14年間、経済困窮家庭の子どもたちの学校外の学びを支える「スタディクーポン」を提供してきました。これまでの活動を通じ、スポーツや文化芸術活動、キャンプといった、机に向かう学びとは異なる「体験」の機会が、子どもたちの健やかな育ちにとって重要だと感じてきました。
その一方、経済困窮家庭の子どもたちほど「体験」の機会にアクセスしづらい状況にあること、子どもの「学習」への支援が広がりを見せているのに対し、学習の枠に収まらない「体験」への支援が見過ごされがちになっていることも、課題として捉えてきました。
私たちは、子ども時代に豊かな「体験」の機会とつながることは、すべての子どもたちにとって欠かすことのできない、子どもの権利だと考えています。
また、子どもたちが生まれや家庭環境に左右されることなく豊かな「体験」の機会につながることができるようにするには、親や学校の先生にとどまらず、地域で思いを持って活動に取り組む大人にも、子どもたちを見守ってもらえるような仕組みが必要だと考えてきました。
そのような思いのもと、私たちは「ハロカル」を通じ、子どもたち一人ひとりの「やってみたい」という気持ちに応えるとともに、全国各地のパートナーと協働しながら、地域全体で子どもたちを見守り支えていく社会の実現をめざしていきます。
どうか応援のほどよろしくお願いいたします。

