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若者支援 / 中間支援のプロジェクト
日本に住む外国人も、平等に金融にアクセスできる社会へ
期間限定
今回のみ
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他 9人が寄付
累計寄付額
213,000
寄付者
14
目標額
1,800,000

達成率
11
%

残り
9
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リープ共創基金
一般財団法人
プロジェクト概要
日本に住む外国人が、収入があっても日本人のようにお金を借りられないことをご存知ですか? その背景には、在留資格の不安定さ、日本語能力の課題、金融慣習の壁があります。2024年の統計によると、在留外国人は約359万人にのぼります。2012年末から2024年6月での増加率は約69%であり、総人口の約2.9%、若者人口(20歳~39歳)の約7.6%を占めているにもかかわらず、この分野はあまり注目を集めてきませんでした。(※1) 今回、私たちが取組むのは、日本に暮らす外国人労働者が銀行から資金を借り、スキルアップを経て上昇した収入から、資金を返す“金融包摂“スキームの実現。具体的には、外国人労働者の中でもっとも多くの24.8%を占めるベトナム人の中型免許取得ローンからプロジェクトを開始することにしました。(※2) これは、1件30万円程度の小規模のローンに過ぎませんが、免許の取得に伴いほぼ確実に所得の向上や経済的自立を見込むことができ、所得の向上をもって資金の返済の原資とすることのできる持続可能な仕組みです。 他の先進国の事例では、このような金融包摂の対象となった移民の収入が平均40%以上、納税額が64%増加した事例もあり、我々はこの金融包摂スキームが可能になれば、孤立し、搾取されがちな外国人労働者を日本社会の新たな支え手の一員として迎えることができると考えています。(※3)

プロジェクトのきっかけーとあるフィリピン人との出会い

本プロジェクトは、REEP財団・代表理事の加藤が東日本大震災の復興支援の際に出会ったあるフィリピン人との出会いでした。彼は在日フィリピン人の被災者を支援する仕事をしていましたが、あるとき、手持ちのお金が足りなくなってしまいました。足りなくなってしまったのはアパートの家賃。それも10万円にも満たない金額でした。

どうしてもお金が足りなくて・・・という相談を受けた加藤は、自身の貯金から10万円ほど貸し出しました。本当に困っているなら、お金が返ってこなくても良いかと思っていたとのことですが、その10万円は数ヶ月後に無事に返ってきたそうです。実は、加藤ものちに知ることになったのですが、家賃の滞納は日本で居住する許可にも関わる生活の基盤。住所が決まっていなければ、在留資格の更新すら満足にはできません。最悪の結果、強制送還になることすらあります。

10万円であれば、親や兄弟がいる日本人であれば、親族に借りればよいという金額かもしれません。災害の直後であれば、行政や社会福祉協議会などの低利融資も使うことができます。災害に応じて、外国人にこのような権利が付与されることはあるのですが、英語しか話すことのできない彼が役所や金融機関などに事情を説明し、難解な書類作業をこなすことは当時の加藤には想像ができませんでした。

加藤が気付かされたのは日本に住む外国人の立場であり、日本に日本人として住んでいるということのある種の特権でした。

金融排除の現実ー日本人比3.7倍の保証格差

本クラウドファンティングに先立ち、日本に住む外国人の金融サービスへのアクセスの問題をREEP財団で調べたところ、その格差は想像以上でした。彼のように金融機関から借りたくても借りることのできない外国人ばかりでした。

日本に住む外国人は、日本人の約3.7倍の割合で保証審査に落ち、借入金利も最大で約2倍。理由は、在留資格に関連する問題、日本語能力や金融にまつわる商習慣の障壁です。

出所:「外国人住民 金融排除白書」(REEP財団、2025年7月発行)

想像がつくでしょうか?
日本に住む外国人の多くが借りたいと思うお金は20-30万円に過ぎません。その用途も、働く工場の近くに住めばもっと長く働けるのに、というものや、仕事に必要な免許を取得して、より貢献できる、稼げる仕事をしたいという意欲的なものです。

稼げる仕事であれば、返済も容易になるはずで、普段の働きぶりと顔が見えていれば、資金の返済も約束されているようなものではないでしょうか?にもかかわらず、日本に住む外国人がいつまで日本に住むことができるかは法務省によって許可された在留資格に在留許可期間が制限されます。

5年の在留許可が保証されている外国人が許可から3年後に資金を借りたいと考えても、審査をする金融機関にとって日本の在留が認識できる期間は2年間。この場合、在留許可期間を超えた返済期間を組み、資金を貸し出すことは金融機関にとって障壁となったままです。

“金融包摂”による対等な支援で、私たちができることを

本プロジェクトでは、日本に住む外国人の生活基盤を支える新たな仕組みとして、「金融包摂」という選択肢を提案します。

サポートがあれば働くことができる外国人に対して、適切なサポートを行わないままに彼らの生活を福祉制度で支えようとすると、行政や国民の費用負担も増え、合理性がありません。

私たちが提案する金融包摂スキームは「契約」に基づく対等な支援のかたちです。日本の中で培った信頼関係を基盤として、対等な契約を結ぶことができるようになります。

REEP財団は、まず、在留外国人を支援する団体と連携し、家計相談や申請同行を含む伴走支援の体制を構築。そこから銀行をはじめとして金融機関とも協働しながら、在留外国人が適切な条件で金融にアクセスできる状況をつくります。

そして、今回の試行を一度きりの支援で終わらせるのではなく、全国の地域へ、より多くの人に広げていくために、金融包摂を支える持続的な仕組みづくりに取り組んでいきます。

寄付と金融をかけ合わせて、限られた資金を効率よく使う

クラウドファンティングのファーストゴールは、在留外国人を支援する団体と連携し、日本に住む外国人の「金融包摂」を最小規模で実現すること。この取り組みは、3年間をかけて実証していく計画です。

本プロジェクトでは、クラウドファンティングで掲げる180万円に加えてREEP財団から100万円を拠出します。本プロジェクトが実現すれば、合計280万円をプロジェクトの原資に、通訳や金融機関への同行支援、保証人補助等を行うことで40名の日本に住む外国人労働者が計1200万円の融資を得て、新しい日本との共生のあり方を模索することができます。

そして、そこから、さらに多くの日本に住む外国人が対等な形で金融にアクセスすることのできる環境を整えていきます。

40名の外国人労働者に対して、280万円の応援は大きな金額に見えるかもしれません。それでも、日本に住む外国人の平均年齢が若いからこそ、福祉からの出口を新しく構想することも可能だと私たちは考えます。

今、「金融包摂」へのチャレンジを実現することが、日本の未来にとっての転機になると考えています。

目標金額の内訳

金融包摂スキームの立ち上げには、日本に住む外国人との強い信頼関係のみならず最低限の書類業務の経験値やファイナンシャル・リテラシーを持つ人材が不可欠です。

具体的な資金の使途としては以下を想定しております。
- 多言語通訳が可能な相談員の人件費
- 金融機関への同行支援交通費・保証人補助
- 翻訳・印刷・広報費
- その他経費
- クラウドファンティング運営実費(決済料+一部の返礼に関わる経費)
※クラウドファンティングに関わる人件費はREEP財団から拠出します。

本プロジェクトは短期的に完了する取り組みではなく、時間をかけて社会の中に根づかせていくべき長期的な挑戦です。私たちは、この「金融包摂」の取り組みに共感し、長い目でともに歩んでくださる仲間を探しています。

REEP財団とは

ひとのやさしさで世界を変える
Co-Creation Through Impact Philanthropy

REEP財団は、東日本大震災後の2011年に社会起業家支援から始まり、2015年にクラウドファンディングを通じて93名の市民の支援を受けて設立された市民財団です。

日本はいま前例のない少子高齢化を迎えています。日本の福祉があらゆる形で行き詰まりを見せつつあるからこそ、日本は福祉からの出口を考える時期に来ていると私たちは考えています。

それは、今回のプロジェクトの対象とする日本に住む外国人も同様です。むしろ、日本に住む外国人の平均年齢が若いからこそ、福祉からの出口を新しく構想することも可能だと私たちは考えています。

REEP財団は、これまで新しい支援の基軸をつくることに注力してきました。高校生が高校生を応援し評価しあう奨学金、複合的な困難を抱える状況にある母子の早期支援、巨大災害における被災者の再起支援。今回、これまでの支援の「出口」として、私たちは金融包摂というアプローチに着手したいと考えています。
HP:https://www.reep.jp/


※1 出入国在留管理庁 在留外国人統計 2024年6月末集計および、総務省 人口推計 2024年9月をもとに算出
※2「外国人雇用状況」の届出状況(令和6年10月末時点)
※3 Windmill Microlending(2024):https://www.windmillmicrolendi...(2025年8月5日アクセス)


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リープ共創基金
qualification一般財団法人

一般財団法人リープ共創基金(REEP財団)はこれまで30団体に約6億円の資金を提供し、コロナ禍で職を失った若者412名の雇用創出や困難を抱える母子の数万人規模の早期の問題解決を導いてきました。