
活動・団体の紹介
認定NPO法人多摩子ども劇場は、設立以来多摩市および多摩ニュータウン地域で子どもと文化、地域をつなぐ活動を続け、今年度設立40周年を迎えました。
子どもの権利条約の精神に基づき、芸術文化や遊びなど生の体験の場を作ることを通して、子どもも大人も市民として育ちあい、人と人がつながり誰もが暮らしやすい地域の形成に寄与することを目的としています。(定款の目的)
地域の子ども達や親子を対象に、野外遊びやカーニバル、自然の中でのキャンプなどの体験活動、子どものための舞台芸術作品の鑑賞会、学校や幼稚園、保育園、児童館、学童クラブなどへの舞台芸術家を派遣するコーディネート事業、ワークショップ、公民館との協働による子育てひろば事業などを行っています。
子どもの体験格差を解消したい
文化庁が実施した令和6年度の調査によると、1年間で文化芸術を直接「鑑賞したものはない」と答えた回答者が56.9%でした。鑑賞をしなかった理由として、「特にない」や「関心がない」についで、費用の問題や生活圏での環境がないことが挙げられました。子どもの鑑賞の機会の有無については、回答者(親)の割合を上回る58%が「鑑賞したものはない」という結果になりました。調査からは、世帯年収による体験の格差や地域の環境による体験の格差が見えたほか、親の鑑賞体験の有無が子どもの体験に影響を与えることも見えてきました。
ウェルビーイングについて
文化庁が令和3年度に実施した調査により、文化芸術とウェルビーイングの関連が見えてきました。ウェルビーイングとは、『心身における「良い状態」が持続的に経験されていることやそうした経験を促進するような場の状態なども含めることができる概念である。日本語では「幸福」にも近い概念として取り扱われるが、幸福がより感情に焦点をあてたものであるのに対し、ウェルビーイングは感情だけではなく健康や生きがいをも含めることができる。』と説明されています。
文化芸術体験が「ある」とした群は「なし」群よりも幸福感の点数が高くなりました。また、文化芸術体験の有無や地域の文化的環境との相関性が見えました。
調査報告書では、『これまで、文化芸術は一定の生活満足が得られた後に求められる「付加的」なものだというステレオタイプな見方もあったと思われるが、本調査の結果からみると、むしろ現在の日本社会においては、どのような人たちにおいても、文化芸術は感情を動かし、人生の意義を感じる上で、広く重要視されるものであり、多くの人の生活の中に取り入れられるべきものではないかと考えられる。』と述べられています。
文化庁 「文化に関する世論調査 ーウェルビーイングと文化芸術活動の関連 報告書」
子どもの体験格差を解消し、文化体験の場を届けることで、より健康で生きがいのある人生を子どもが歩んでいけるいける地域をつくること、私たちの課題だと考えます。文化はぜいたくせはありません。子どもだけでなく、誰にとっても必要な心の栄養なのです。
活動内容の詳細、実績について
設立以来、子どもの文化的権利を保障し、生の文化体験の場づくりを通して活動してきました。子どもがさまざまなアート体験に出会うPoco Poco Festaではこれまで1万人を超える参加者に、体験の場を届けました。また、子どものための舞台芸術作品の鑑賞会をこれまで345回実施した他、さまざまな活動を通して多くの子ども達に体験の場を作ってきました。
設立40周年を迎え、今後も子ども達に体験の場を届けていきます。
代表者メッセージ
多摩子ども劇場は、地域で子どもを真ん中に活動を続けてきました。文化体験の場を作るほか、子どもと子どもを取り巻く環境を学ぶため、学習会を開催し、地域の方とも学び合い協働を続けてきています。これからも、地域の「すべての子ども」を対象に体験の場を作り続けていきたい、そのことを通して誰もが自分らしく生き生きと暮らせる街を作りたいと思っています。プロジェクトに関心をお寄せいただきありがとうございます。みなさまのご支援、応援をどうぞよろしくお願いいたします。
寄付金の使い道について
いただいたご寄付は、子どもの体験活動や鑑賞の機会の創出、子どもの生活圏での文化環境の整備など特定非営利活動全般に使わせていただきます。

