


「まだ帰りたくない」と願う若者たち
私たちはニート・ひきこもり等と呼ばれる 《社会から孤立した若者》を応援するNPO・育て上げネットです。さまざまな生きづらさを抱える若者を支えるプログラムを展開しています。
プログラムに参加している若者のなかには、その日の活動が終わっても限界まで居残りたいという方がいます。
「最初は緊張していて早く帰ろうします。でも、関係性が芽生えていくと家に帰りたくないというようになる。家よりもここのほうが居心地がいいんです。」
支援現場のリーダーの阿部は彼らの言動をこう捉えます。
" 家に帰ると親からアレコレいわれるから "
" 1人になると余計なことを考えて不安になってしまうから "
社会参加が進むにつれ、支援拠点やスタッフとの関わりが心理的な安全性につながります。
よく勘違いされますが、ひきこもりたい方はほとんどいません。
できることなら、誰かとつながっていたい、自分を受け入れてくれる場を離れたくないと願っているのです。
ー夜はCLOSEDー
" 支援は日中 "の常識を変える
若者は居場所を求めていて、そのための支援は日本中で増加しています。
しかし、現実的な課題として「開所時間」の壁があります。
多くの支援拠点は日中、夕方には閉所してしまうことが多くあります。私たちも通常のプログラムでは17時には相談やプログラムを終え、振り返りや事務作業に移ります。
しかし、若者にとって、もっと長くいられる場所を作ったほうが良いことは明白。
それならば「夜に支援するためのプログラムを立ち上げよう」と思い立ちました。
開所時間の制限がある既存の支援から独立させ、今までクローズしていた毎週土曜日の18時から21時まで自由に利用できるオープンスペース「夜のユースセンター」を2022年にスタートしました
回を追うごとに参加者は増え続けており、2024年には52回開催・のべ1,686名が参加しました。
新たな社会課題と向き合うきっかけ
夜のユースセンターは、東京・立川で運営しているオープンスペースです。
ひとりでスマホゲームをやって過ごしてもよし、
みんなでおしゃべりしたりゲームをやってもよし、
地域の飲食店に協力してもらって夕食も提供しています。
この活動には毎週30~50名の若者が集まっています。
居場所支援は従来から行われていますが、毎週これだけの若者が集まる支援は珍しい方です。
若者たちは本当に「居場所」を求めています。
それを証明するように、今までつながりのないタイプの若者が目に付くようになりました。

それは「ひきこもり」とは対極の位置にあると思っていた「繁華街にいる若者」です。
コロナ禍以降、「トー横」「グリ下」と呼ばれる場所が生まれました。
飲食店や商業施設が時短・自粛を求められ、行き場も働く先も失った若者が繁華街のたまり場に集うのです。
私たちは、SNSを通じて同じような境遇の若者が集まったこの場はある意味、若者たち自身が見出したエスケープだったのではないかと考えています。治安という点ではさまざまな課題はあるものの、自分たちが安心できる場を探すことに不思議はありません。
しかし、そこに悪意ある大人が目を付けました。
高額の報酬を餌にした売春行為や詐欺の幇助、そして違法薬物への勧誘が後を絶たなくなったのです。この問題は連日メディアでも取り上げられ、極端な事例では命に関わる事件にまで発展してしまいます。

ある日、夜のユースセンターにそんなトー横に通っていた若者が顔を出すようになりました。
その若者はいつしかトー横(新宿)に行かなくなりました。
どうして?と尋ねると「危ないところだから、行かなくていいなら行かない」とまっとうな返答。
彼らは何も考えずトー横のような場所に行くわけではありません。家や学校にいたくない、かといって頼れる友人もいない、社会が彼らを許容できないために、唯一彼らの受け皿となったのが危ない場所だったのです。
夜のユースセンターは私たちの想定している以上に、幅広い若者の安全と安心につながる居場所になると考えています。

予防としての大人の目を入れる
あるとき、スタッフに声をかけてきた若者がいました。
「これSNSで見つけたんですけど、どうおもいます?」
見せてくれたのは、即金、高収入と書かれたXの投稿。
私たちは一瞥して危険なものだと判断して、本人と話す時間を作ることにしました。
こうしたケースは決して珍しいものではありません。人材サービス企業・ディップが行った調査では、約8割の高校生が闇バイトの募集を指摘できなかったという結果も出ています。
ひっ迫した状況に置かれたとき、SNSにある甘言に誘引されてしまうことは珍しいことではありません。
そうしたとき、大切なのは悪意のない大人とつながっておくことです。支援の手が届く環境であれば今回のように止めることもでき、また、厳しい状況にあることを相談してもらえれば私たちなりの手段で支えることができます。
夜のユースセンターに来る若者は本当に多様で複雑な悩みを持っていますが、経済的な困窮を抱えている方もいらっしゃいます。そうした方々を悪意ある大人から守ることにもつながっています。

みんなで若者を支える
このキャンペーンは単発型のクラウドファンディングです。
いただいたご寄付は夜のユースセンター事業の運営に活用させていただきます。
これから社会とつながる若者に安全な居場所を
危険な場所に行かなくても受け入れられる機会を
社会のなかで自立し続けるための支えを
本活動は生きづらさを抱える若者と出会い、支援を始めるため大切な活動です
そのためには若者たちの要望やニーズに応えられる場であることが肝であり、柔軟に活用できるご寄付が不可欠です。
ご協力のほどよろしくお願いいたします。
いただいた寄付の使い道
いただいたご寄付は主に以下の用途で使用します。
具体的な支出は若者の参加状況や実施回数によって異なりますので、一定の金額を月次支出をするのではなく、状況に応じて適切に活用します。
<想定される活用方法>
■活動費(食事代、場所代)
■担当スタッフ人件費
<1回あたりの想定金額>
■食事代:700円×60食=42,000円
■生活用品:1,200円×10人分=12,000円
■場所代:10,000円
■人件費:50,000円
―――――――――
合計:114,000円
※その他、居場所で使用するゲーム機やボードゲーム、書籍、楽器などの調達にも活用します。
<想定される対象者>
■社会的な孤立状態にある若者
■同様の課題を持つ学齢期の子ども
<税額控除について>
育て上げネットは東京都から認定を受けたNPO法人です。毎年1月末から2月上旬を目途に前年(1月から12月)に着金した金額分の「寄付金受領証明書」を発行しています。同書類を用いて確定申告を行っていただくことで控除を受けることができます。
個人の場合は所得税などから控除を受けることができます。法人の場合は特別損金として算入することができます。控除できる割合は収入の状況や資本金・売上によって異なりますので、ご不安な方はご相談ください。

理事長・工藤よりメッセージ
「夜」は不思議な時間帯です。ひとりであることの孤独感や、将来に対する焦燥感が、若者自身を追い詰めます。他方で、ふとした瞬間に本音が吐露され、誰にも言えずに抑え込んできた気持ちに言葉が宿ります。
自宅に居場所がない、一人暮らしで孤独であり、そんな若者たちが安心して扉を開けられる場所が、私たちの社会にはありません。だからこそ、私たちは「夜のユースセンター」を通じて、若者に、社会に居場所を開きます。
夜のユースセンターは、若者のためだけの場所ではなく、一緒に場を作るすべてのひとたちの居場所でもあります。私たちも、若者たちも、みなさまと場をともにすることを待っています。作りましょう、私たちの「夜のユースセンター」を。
若者支援は社会投資です
私たちは自分たちの活動を「社会投資」という言葉で捉えています。ひとりでも多くの若者が元気になって、社会のなかで活躍できることは、その方にとっての幸せを実現しただけではありません。
「社会参加」や「経済的な自立」が実現されればその方は納税者となり、社会を支える側の存在になります。個々人が望んだ人生を歩むことができるようになり、さらに社会がよりよい方向へ進んでいくことができます。(図:貧困・格差、低所得者対策 ・格差、低所得者対策に関する資料、厚生労働省より作成)
寄付金受領証明書について
「寄付金受領証明書」の発行に関しては、下記をご確認ください。
・証明書名義(個人):コングラントにご登録の氏名を宛名として作成します。
・証明書名義(法人):法人名でご寄付いただいた場合は、法人名で作成します。
・証明書発行先:コングラントにご登録の住所にお送りします。
・寄付の受領日(証明日):コングラントから育て上げネットへの入金を確認できた日となるため、決済日の翌月20日までの日付となります。
・証明書の発行日:基本的に1月中旬から月末に前年分をまとめてお送りします。
活動団体概要・お問い合わせ先
若者支援を「社会投資」ととらえ、無業の状態にある若者の就労基礎訓練プログラム「ジョブトレ」や、その保護者の支援、学校やコミュニティ向けの教育支援プログラムを実施しています。また当事者だけでなく、地域社会・行政・企業と連携した支援者の育成など、多岐に渡る活動を展開し社会全体で若者を支援する土壌を創っています。
ホームページURL:https://www.sodateage.net/
本件に関するお問い合わせ
育て上げネットFR担当
メールアドレス:fr@sodateage.net
(月~金曜日 10:00~17:00※祝祭日除く)


